小さな宝物
『やっ…その…違くて!』


あたしってば呂律も思考回路も全然回らない。


これぢゃあ何言いたいのかわかんないぢゃん!


『興味あるんです!!』


え…?


ちづる今…なんて?


あたし達そんな事一回も話に出した事ないぢゃん!


適当なこと言っちゃダメだって…


『なっ?』


弘君はあたし達…いや、ちづるがそう言うって事を見破ってたんだろぅ。


相変わらず満面の笑みで会長に言う。


『マジ!?大歓迎だし!いや~来月くらいから1年の生徒会役員2人推薦してもらおうと思ってたんだって!丁度2人だし全然OK』


会長は本気にしてすごい嬉しそう。


なんかこういう所とか可愛い。


ちづるはどうしようって顔してあたしの方を見た。


いやいや…あたしもわかんないから。


『取りあえず!しばらく見学に来いよ。部活だと思ってさ』


弘君はソファから立ち上がりながら言うとあたしにニコッて笑いかけた。


『うん!そぉしなよ。またメンバーとか紹介するしさ。今から生徒会の会議あるから俺行くな!また来いよ』


会長は爽やかな笑顔であっという間に生徒会室を出て行った。


『あおい…どぉしよ。生徒会とか絶対めんどくさいって…』


ちづるは立ち尽くしたまま顔だけあたしの方を見て言った。


『だよね…でも会長の期待は裏切れないし』


あたし達がオロオロしてると弘君は沢山の資料を持って言う。


『まぁ見学来いって!それから考えろよ』


なんかまんまと弘君の作戦に捕まった気がする…


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