小さな宝物
『会長!!』
あたし達はビックリして、思わず声を揃えて叫んでしまった。
『はは!そんなビビる?生徒会希望の1年の元気な声が聞こえたから話かけてみただけだよ』
『元気…って…』
会長の笑顔にドキドキしながらあたしは答えた。
『今日は天気いいね~俺いつも昼休憩はココで寝てるんだ!そしたら君達の元気な声が聞こえてね』
『すいません!』
会長はあたしとちづるの間に座り込みながら言う。あたしとちづるは慌てて謝った。またしても声が揃ってしまう。
『ホント仲良しなんだな~いつも一緒にいるもんな』
『え!あたし達の事いつも見てるんですか?』
すかさずちづるが突っ込む。
『ん~いつもってわけぢゃないけど、1年で顔見知りなのは君達だけだからついね!第一2人とも結構目立つよ』
『え~目立ってますか?』
今度はあたしが答えた。
だって…あたしおとなしくしてるのに…目立つ?
なんで?
『だって君達美女で有名だよ!知らないの?』
『はい?』
あたし達は声を揃え、首を傾げながら言う。
『君達が通ればだいたい男連中は振り返ってるからな~俺もつられちゃうんだな』
会長は少し照れながら言った。
『そんなの聞いた事ないし…』
『そりゃ~本人には言わないさ!自覚ないのが一番だよ!ぢゃまたね』
会長はちづるのつぶやきに答えると、あたし達の間からスッと風のように消えていった。
会長の爽やかな笑顔と声は、この雲ひとつない青空にすごくすごく響いたんだ。