小さな宝物

『ぢゃあさっ!清流高校にしよぉよ~!だってこの前の木村って人もソコでしょ?見てみたいぢゃ~ん!!』


ちづるは目をキラキラさせて言う。


『え~!そんな理由で高校選んで大丈夫なわけ?』


あたしは半分笑いながら答える。


『だってあおいはどこでもいいんでしょ?だったら木村って人とラブラブになりに行こうよ~!』


ちづるは1人で妄想を膨らませながら楽しそうに言う。


『ラブラブって…まだどんな人かも知らないのに…彼女だっているよ~高校生だもん!逆に地味でポッチャリとかだったら嫌だし…』


とかなんとかいいつつ…正直あたしだってかなり期待してる。


だって絶対カッコいいもん!!


きっと背が高くて、優しくて、笑顔が素敵で!!


『あおい…顔は正直だよ(笑)』


ちづるはあたしの百面相を見ながら笑ってる。


『違うよ!』


焦るあたし。


『いいぢゃん!清流高校にしよぉよ!また一緒に学校行こ!あおいがいたら楽しいもん!』


ちづるは素直だ。


あたしだってちづると高校行けたらいいなって思ってた。


木村って人にも逢ってみたい。


『そぉしよっかな。』


あたし、こんな適当な理由で人生を決めていいのかな?


でも…どこでもいいって考えよりはマシ?


まっ!ちづるがいるんだし、なんとかなるか♪


こんな感じであたしの進路は決まった。


< 5 / 31 >

この作品をシェア

pagetop