小さな宝物

★桜咲く時★


あたし頑張った。


いっぱいいっぱい死ぬ気で勉強したよ。


高校生活を想像すると、なんかドキドキして…


あんなに嫌いだった勉強も毎日できた。


ちづるも毎日のようにあたしの家来て一緒に勉強してくれた。


神様!!あたし…頑張ったよ!


なんか…


落ちる気がしない!


『よし!行って来ます!』


あたしは勢いよく玄関を飛び出した。


そぅ。


今日は合格発表日。


運命の日だ!!


『あっ!あおい!コッチ!』


清流高校の校門には手招きするちづるの姿。


一緒に発表見ようって約束したんだ。


ちづるも緊張した様子。


あたしだけぢゃないんだなぁと思うと、少しホッとした。


『掲示板は…あっ!アソコぢゃない?みんないるし!』


ちづるは小走りで掲示板に駆け寄る。


ヤバイ…緊張してきた。


足動かないし。


落ちる気がしないなんて…前言撤回。


怖い。


『あおい!早く!』


そんなあたしにちづるは興奮した様子で呼びかける。


きっとちづるの名前があったんだろぉ。


やっとの思いで掲示板の前にたどり着いたあたしにちづるは言う。


『あおい!あそこ見て!』


ちづるが指差した方向を見ると…


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