桜空あかねの裏事情
「そっか……めんどくせ」
「昶、最後の一言は余計」
「悪い悪い。ってか朔姫、言い方キツいぜ」
そこで会話は途切れ、辺りはまた静寂に包まれる。
「これより毎月恒例の会議を始める」
告げられた言葉に結祈と朔姫、そしてギネヴィアの顔つきが途端に変わり空気が引き締まる。
初めて参加する昶と駿は、その変化に戸惑いながらも沈黙を貫き、様子を伺っている。
「今回の議題は、来月一日に行う他チームとのランキング戦。次にこの大事な会議を欠席した大変迷惑極まりない子供について。そして、次期リーデル候補について。の三点だ」
書類を見ながら、事務的に会議内容を発表されると、それぞれ思うことがあるのか複雑な顔をしていた。
「まずランキング戦。近年致命的な人員不足で棄権していたが、今回は解散の危険性もあり、そうも言ってられなくなった。同時に二人の異能者が正式に所属し、合わせて七名。また仮所属一名を入れて計八名。これならばチーム戦も可能であると判断した。ちなみに相手は――チーム・ソンブルだ」
対戦相手の名を聞いて、結祈と朔姫は険しい表情になり、ギネヴィアはあからさまに嫌そうな顔をする。
「何でよりによって、そのチームなのよ」
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