桜空あかねの裏事情


「私が決めた事ではない。ランキング戦は協会が取り仕切っているからな。気持ちは分かるが、アヴィドよりマシだろう」

「そりゃそうだけど……」

「ちなみにソンブルはランキング10位。現在最下位の私達が勝てば、ランキングが上がることは必須」

「まぁ確かに。でもアタシ達でなんとかなる相手なワケ?」


頬杖をつきながらギネヴィアが問えば、ジョエルは待っていたと言わんばかりに口端を吊り上げる。


「いいところを突いたな。そうだ。チーム・ソンブルについては私はあまり多くは知らない。つまり具体的かつ有効な対策が打てない……これは分かるな?」

「言われなくても。情報は重宝される戦略の鍵だし……ハッ!」


何かに気付いたのか、ギネヴィアは口元を抑える。
それを見逃すはずもなく、ジョエルは皮肉な笑みを浮かべながら、楽しそうに口を開いた。


「そうだ。頭数でも力でも劣る我々が勝つには、情報をいかに正確に、かつ有効に使えるかが鍵となる」

「だからって、またアタシをこき使う気?流石に疲れるわよ」

「そうか。では君の給料を減らして、アーネストに頼むとしよう。うちの諜報は役に立たない、と」

「チッ……分かったわよ。やればいいんでしょ、や・れ・ば」

「クックッ……ああ。任せたぞ」


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