桜空あかねの裏事情


「………」

「本当は帰るつもりなんか無かったけど、リーデルの事もあるし丁度いいかなーって……で、いざ帰ったら頭首代理かなんかで、兄さん家を空けてたんだよね。その間、義姉さんはジジイ達から相当いびられてたらしいんだ。結婚してもう八年も経ってるくせに子ができないとかなんとか。本人達がいいならそれでいいじゃん。つべこべ言うなし」


そこまで聞いて、ギネヴィアは陸人の事情を大体は把握する。
リーデルの件が気に入らなかったから、ふてくされていたのではなく兄の留守の間、矛先を向けられる義姉をずっと庇っていたのだろう。
ジョエルが陸人を情に絆される子供と評したのも、理解は出来る。
だがそこで疑問が一つ浮上する。
これは誰がどう見ても陸人の、むしろ菊地家の問題だ。
何故ジョエルが知っているのだろうか。


「噂なんていくらでもあるよ。まぁジョエルはジジイと顔見知りだから……どっかで義姉さんの悪口でも聞いたんでしょ。どーせ」


陸人も同じ事を思っていたのか、推測で知った経緯を話し出す。


「そんなもんかしらね」

「そんなもんだよ。ジジイは口軽いし、ジョエルはムカつくけど聞き上手だから」

「確かにそうね」


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