SORA
第一章
僕らの旅
長い夏休みが終わり,1週間が
経過した。進学校である青陵高校
の生徒達に遊んでいる暇などは
ないらしい。
受験に向けて,生徒一人一人が
必死になって勉強を始めている
時期だった。
特進クラスである3年D組。
今日もハイレベルな授業が展開
されている。
「神山,どうした?」ふと茶髪の
少年が立ち上がり,教室から出て
行ってしまった。
彼の名前は神山波崇。
茶色い髪に緩めたネクタイの姿
の彼はD組の学級委員長であり,
全国でも屈指の秀才である。
父はアメリカに本社を持つ企業
であるそうで,大学卒業後は父の
会社を継ぐらしい。
波崇は屋上へ行き,珍しい姿を
見つけ,退屈そうに欠伸をした。
「何や,波崇。サボり?」
自分もサボっているくせに…
よくそんな台詞が出るもんだ。
波崇はそんなことを思いながら
黙って,目の前で笑う少年を
眺めていた。
彼は青木誠。
大阪から転校してきたばかりで
関西弁を話す。初めて会ったとき
から,波崇とは気が合った。
経過した。進学校である青陵高校
の生徒達に遊んでいる暇などは
ないらしい。
受験に向けて,生徒一人一人が
必死になって勉強を始めている
時期だった。
特進クラスである3年D組。
今日もハイレベルな授業が展開
されている。
「神山,どうした?」ふと茶髪の
少年が立ち上がり,教室から出て
行ってしまった。
彼の名前は神山波崇。
茶色い髪に緩めたネクタイの姿
の彼はD組の学級委員長であり,
全国でも屈指の秀才である。
父はアメリカに本社を持つ企業
であるそうで,大学卒業後は父の
会社を継ぐらしい。
波崇は屋上へ行き,珍しい姿を
見つけ,退屈そうに欠伸をした。
「何や,波崇。サボり?」
自分もサボっているくせに…
よくそんな台詞が出るもんだ。
波崇はそんなことを思いながら
黙って,目の前で笑う少年を
眺めていた。
彼は青木誠。
大阪から転校してきたばかりで
関西弁を話す。初めて会ったとき
から,波崇とは気が合った。