離れられない
〜二週間前〜
「今日は新しく、うちの劇団に入る人を紹介します。」
「今日からここに所属になります、高城光希です。まだ研究科五年ですが、よろしくお願いします。」
青いシャツが似合う黒髪のこの青年。
すごく綺麗な顔立ちをして
…でもその瞳の中には野心の炎が見える。
「次の公演ではれみの相手役になるからよろしく。」
「…え?」
青年がこっちを見る。
「…よろしくお願いします。」
「あ…よ、よろしく。」
これがあたしと、光くんの出会い。