【短】時を超えても愛してる 上

「総司。てめえ・・・・」

「本当に気にしないでください。」

そう言って私はしゃがみ込む。

一気に不安と恐怖が押し寄せる。

この人たちが居なくなった後、どうしよう？

たぶんここは現代じゃない。

私は時をとんだのだ。

これからどうすればいい？

ぐるぐると頭の中をいろいろなことが駆け巡る。

怖い、帰りたい、だけど帰りたくない。

すると私の体が急に持ち上がる。

「へ？」

驚いて視線を上げると土方さんに抱き上げられていた。

「ったく、行くぞ。」

土方さんをそう言いながら私を抱き上げる。

「ちょっ！！降ろしてください！！いいですから本当に！！！」

「うるせえ。泣きそうなやつを置いていくほど俺は鬼じゃねえよ。」

そうぶっきらぼうに言いながら土方さんは私を優しく運ぶ。

そして、沖田さんと斉藤さんが私を庇護してくれたおかげで私は新撰組でお世話になることになった。

私はみんなの雑用として動いていた。

「おーい！櫻。手ぬぐい持ってきてくれねえか？」

その声を聴いて私は急いで道場に走る。

「はいっ！どうぞ原田さん。お茶も持ってきましたよ。」

「おおっ！すまねえな。」

そう言って原田さんは喉を潤す。

原田さんは明るくて面白い人だ。