先輩と私と後輩。
出逢い
慎先輩
<慎side>
図書室。
それは俺の1番落ち着ける場所。
静かで。
この静寂とした雰囲気が好きだ。
特等席…というと良いすぎだろうか。
いつも座る席は、窓の近くの光が差し込む場所。
「あ…」
(先客…か)
その席には、今日は女子生徒が座っていた。
栗色の柔らかそうな髪と、
横顔から伸びる睫毛。
それを隠す様に眼鏡をかけている。
(リボンが緑だから、2年か)
いつもと違う席も悪くない。
今日は、その女子生徒の向かいに座ることにした。