先輩と私と後輩。
出逢い

慎先輩






<慎side>



図書室。


それは俺の1番落ち着ける場所。


静かで。

この静寂とした雰囲気が好きだ。


特等席…というと良いすぎだろうか。
いつも座る席は、窓の近くの光が差し込む場所。


「あ…」


(先客…か)


その席には、今日は女子生徒が座っていた。

栗色の柔らかそうな髪と、
横顔から伸びる睫毛。

それを隠す様に眼鏡をかけている。


(リボンが緑だから、2年か)


いつもと違う席も悪くない。


今日は、その女子生徒の向かいに座ることにした。





< 7 / 10 >

この作品をシェア

pagetop