届けたいもの






『………はぁ』











なんか疲れた



疲れたよ〜



あのあと私だけ
プリント一人でやらされたし

バッチリマンツーマンで…

やってなかった私が
悪いんだけどね




『……暗』




冬なだけあって
17:00だと真っ暗だ



『寒〜』



一人で自転車置き場に向かい

トボトボ歩いてると


「市丸さん」


『あ、田中先生…さようなら〜』


何でこの人と
会っちゃうんだよー

さっきまでずっと
勉強させられて←たから

会いたくなかったし


「………」


足早に通り過ぎようと
したとき


「寒いですね…暗いし」


『……?」


「送っていきましょうか?」


『え゙っっ!?』


思わず、変な声を
発してしまった

教師の車に乗れるか!!!


「市丸さんに何かあったら大変ですよ?」


『い゙、いえっ!!!けけけ結構です!!』


そう言って軽く頭を下げ

私は自転車置き場に走った



―ガダ、ガダダンッ

(自転車が倒れる音)




「…………。」







< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop