続 青薔薇姫



おそるおそる顔を上げると、俺は唖然とした。


……太陽が泣いてたから。


航太も涙は流してないものの、鼻の先が赤くなっている。


「遅ぇよバカ…ッ!!」


「俺らどんだけ待ったと思ってんだよ…!!」


「太陽……航太……。」


信じられなかった。


こんな俺のために泣いてくれる奴がいたなんて。


「う゛ぅー…龍ー…!!」


「わっ…!!太陽キモいから抱きつくな!!」


「龍大好きだぁー…!!」


まぁ……今は男どうしで抱き合っててもいいかもな。


……変な想像すんじゃねぇぞ?


気付けば、青華の奴らも微笑ましく笑っていて……。


俺は陽月に、口パクで"ありがとう"と言った。


すると陽月は一瞬驚いた顔をしながらも、泣きながら頷いてくれた。


仲間って……いいな。


このときから俺は、俺に仲間を教えてくれた陽月のことを、少しずつ気になり始めていた……。


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