続 青薔薇姫



「ははっ、紫苑も大変だな。」


「そんな他人事みたいに笑わないでくださいよ柚歩さん。」


「だって他人事だし?」


水狼の下っ端の中でも一番強かった俺は、幹部のみなさんとも交流があった。


「……お、もう10時だな。ほら、中坊は帰った帰った!!」


「柚歩さんだってそんなに歳変わらないじゃないですか…。」


「俺は高2だからいーの!!」


「でも……帰りたくないです。」


消え入りそうな声で呟くと、柚歩さんは背中を叩いた。


「紫苑、嫌なら嫌って言っていいんだ。……もし親父さん達が気に入らないなら、一言言って家を出ればいい。な?」


「……っ…。」


柚歩さんに説得され、結局家に帰った。




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