続 青薔薇姫



ホテルを出ると、もわっとした熱気に包まれた。


ホテルの近くの海に沿って歩いていると、見覚えのある人がベンチに座っていた。


あたしに気付くと、また目線を海に戻された。


「隣いい…?」


「……あぁ。」


あたしは少し間を空けて座った。


「起きるの早いね。」


「……それは瑞華もだろ?」


「ははっ…、あたしは酒強いからね。」


「……俺も。」


こんな他愛もない会話でも、あたしは嬉しかった。


「……久しぶりに話したね、龍。」


「……そうだな。」


龍はポンポンとベンチを叩いた。


"もっとこっちに来い"ってこと……?


あたしは立って、龍のすぐ隣に座り直した。




< 143 / 307 >

この作品をシェア

pagetop