続 青薔薇姫



……一瞬、時が止まった。


今まで繰り広げられていた喧騒が、まるで嘘だったかのように……。


ポタッ……ポタッ……


地面に零れ落ちる赤い血……。


「ハァッ……ハァッ……。」


「瑞……華……?」


紫苑の驚く声が聞こえる。


あたしは組長を睨みつけ、息することもままならない状態で向き合った。


「まさか……ハァッ…ハァッ…お前に…っ、兄妹揃って…ハァッ……同じところ……ハァッ…ハァッ…撃たれるとは…ハァッ…思わなかった……っ。」


あたしは自嘲気味に笑った。


「兄妹?……フッ…そうか。お前があの青狼の溺愛する妹か。」


ニヤニヤ笑う組長を見てると無性に腹が立った。




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