続 青薔薇姫



ピーポーピーポー……


たった5分でも、今の俺には1年のように感じた。


やっと来た救急車に瑞華は運ばれ、虎太とかいう奴が救急車に乗ろうとしたとき、急に振り返って俺達と目を合わせた。


「……来たいなら来い。」


ものすごい殺気を纏った虎太を前に、一瞬息が詰まった。


気付けばもう救急車は発車していて、残りの3人の青華幹部もそれぞれのバイクに跨がっていた。


"……来たいなら来い"


……俺は今まで瑞華は敵だと、裏切り者だと思っていた。


でも……俺を庇ってくれた……。


「尚希、彰人、零也、……行くぞ。」


………行くに決まってんだろ。


「……っ!!分かりました…。」
「分かった……。」
「あ、あぁ……。」


尚希達は俺の急な指示にも従って、俺を追いかけてバイクに跨がった。




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