続 青薔薇姫



「本物じゃなくていい。偽物でも絵でも、造花でだっていいんだ。

とにかく、自分が一番キレイだと思う青いバラのことを、″青華″と呼ぶんだと!!」


そう言ったお兄ちゃんの顔は、あたしが見た中で一番輝いていた。


偽物でも……絵でも……造花でも………。


あたしが一番キレイだと思った青いバラなら、それが青華なの……?


じゃあ……青華はあたしの中には存在するんだ……!!


「お兄ちゃん、それホント!?嘘じゃない!?」


「あぁ。俺は瑞華に嘘なんてつかねぇからな!!」


「よ……よかったぁー……。」


お兄ちゃん…、お兄ちゃんの夢………叶いそうだよ。


あたしが代わりに青華を見つけてみせるから……!!


あ………でもあたし…………。


「あたし撃たれて……死んでるの…?だから……お兄ちゃんとユカさんに会ってるの……?」


そしたら……青華を探しに行けない……!!




< 204 / 307 >

この作品をシェア

pagetop