続 青薔薇姫

正直者の姉と嘘つきな妹




………ガチャッ


まだ昼間だというのに、辺りは静けさに包まれていた。


病院の屋上に来て、ふと空を見上げた。


あの空の彼方にはきっと天国があって、きっとそこには………。


……やめた。


″あの人″のことを考えるだけで頭が痛くなる。


フェンスに体を預け、タバコを……なんてね。


あたし今タバコ持ってなかったな……。


………そして、また空を見上げる。


″あの人″のことは……好きじゃなかった。


……でも、嫌いでもなかった。


まだ中1だったのにも関わらず、親はあたしを家から追い出した。


そのときに、1人だけあたしの味方してくれたから………嫌いじゃない。


でも、やっぱり好きにはなれないんだ………。








< 211 / 307 >

この作品をシェア

pagetop