続 青薔薇姫



「……ハハッ。」


あたしでもまだ涙が出るんだ……。


″悪魔が涙を流すとき魔力が消える″って聞いたことあるけど…。


悪魔よりも悪魔らしいあたしが涙を流したら……。


長年あたしに染み付いた残酷な嘘は、消えてなくなるのかな……?









あたしね…、あんたのこと最初、似た者どうしだって思ってた。


お互い上の兄弟がいて、お互いその兄弟は死んで……。


でもあたしとあんたは正反対だった。


死んだときに涙一粒流さなかったあたしと、今でも兄弟を想うあんた。


正反対だったからってどうってことはないけど、勝手にあたしが仲間意識を持ってたからショックだった。


なんでみんな兄弟が死んで涙を流すんだろう…?


だって喧嘩とかしたことあるでしょ?


いなくなったほうがいいって思ったことあるでしょ…?


あたしの感覚が麻痺してるだけなのかもしれないけど、ただ分かり合える人がいてほしくて……。


でも、そんなあたしだから選んでもらえなかった…。


そんなあんただから選んでもらえた。


だから……邪魔者はもう消えることにする。


ごめん……あのとき残酷な嘘をついて。


でも落ちる前に最期の嘘を……。


最期まで嘘をつくのは、″あの人″みたいな正直者になりたくないから……。



















「″あんたのこと……嫌い。ずっと……。″」






< 234 / 307 >

この作品をシェア

pagetop