続 青薔薇姫
「……ハハッ。」
あたしでもまだ涙が出るんだ……。
″悪魔が涙を流すとき魔力が消える″って聞いたことあるけど…。
悪魔よりも悪魔らしいあたしが涙を流したら……。
長年あたしに染み付いた残酷な嘘は、消えてなくなるのかな……?
あたしね…、あんたのこと最初、似た者どうしだって思ってた。
お互い上の兄弟がいて、お互いその兄弟は死んで……。
でもあたしとあんたは正反対だった。
死んだときに涙一粒流さなかったあたしと、今でも兄弟を想うあんた。
正反対だったからってどうってことはないけど、勝手にあたしが仲間意識を持ってたからショックだった。
なんでみんな兄弟が死んで涙を流すんだろう…?
だって喧嘩とかしたことあるでしょ?
いなくなったほうがいいって思ったことあるでしょ…?
あたしの感覚が麻痺してるだけなのかもしれないけど、ただ分かり合える人がいてほしくて……。
でも、そんなあたしだから選んでもらえなかった…。
そんなあんただから選んでもらえた。
だから……邪魔者はもう消えることにする。
ごめん……あのとき残酷な嘘をついて。
でも落ちる前に最期の嘘を……。
最期まで嘘をつくのは、″あの人″みたいな正直者になりたくないから……。
「″あんたのこと……嫌い。ずっと……。″」