続 青薔薇姫
口を開いてみても、なかなか声にならない。
あたし震えてるんだ……。
「ひっ……久し……ぶり……だ…ね……。」
やっとの思いで振り絞った声はとても小さくて、そばにいた虎太や龍でさえも聞こえたかどうかあやふやなのに。
「…………あぁ。」
相変わらず無口な紫苑には、あたしの声が届いたみたい。
「来てくれてありがとう…。ビックリしたでしょ、いろいろ。」
再会して間もないのに、無視されなかったことにホッとしたから、不思議と昔みたいに話せた。
「まぁ……尚希とスパイ女が瑞華のこと調べてたからな。だから今更瑞華が青華の総長の青薔薇姫でも、全然驚かねぇよ?
それに″青薔薇姫″って通り名…。
初めて聞いたとき、瑞華かもしれないって思った。」
「そっか……。」
尚希と結以があたしのことを……。
……ん?なんで結以が?
あたしのことライバル視してたはずなのに……。
「それより……、聞いていいか?
水狼を裏切った理由。」
・・・
…………ん?
あたしが……水狼を裏切った……?