続 青薔薇姫
「あたしはただ……、紫苑があたしを庇ってケガしたとき、このままじゃダメだって……。
あたしも水狼のみんなを守れるようにって思って……。」
負けじと紫苑に反論する。
尚希は未だに考えこんだままだった。
ってか……、
「そう言う紫苑だって…、あたしを仲間だと思ってないんでしょ?
あたしがお兄ちゃんの妹だから………その罪滅ぼしのつもりで仲良くしてたんでしょ?」
「……あ゛?」
紫苑が眉間に皺を寄せてあたしを睨む。
何よ……、あたし間違ったこと言った……?
「紫苑、とりあえず落ち着いてください。
……さっきから主張が食い違ってますね。
俺達は、″瑞華は水狼を裏切るために抜けた″と主張し、瑞華は、″水狼を守りたかった″と主張した……。
なぜこんなにも食い違いが起こるのでしょう……。」
確かに……。
でも……でも確かにあたしはこの耳で……。
「結以に聞いたよ……?さっき言ったこと全部。」
「結以……?」
尚希が眉をひそめた。
「俺も……、さっき言ったこと、全部あのスパイ女から聞いたぞ。」