続 青薔薇姫



あ……そっか。


あたし龍からは″ユカ″としか聞いてなかったもんね。


でも結以が言った″あの人″ってどういう意味だろう……。


まぁいっか……今は。


「あたしね、生死をさまよってるとき、お兄ちゃんとユカに会ったの。


……龍、ユカからの伝言。




″許してもらえるなんて思ってない。でも、あたしは本気で龍のことが好きだった″……。」




「……っ!!それは……確かなのか……?」


龍があたしのもとにゆっくりと、おぼつかない足取りで歩いてくる。


「……ホントだよ龍。

嘘をついてるなんて思えなかった…。

ユカの言葉、信じてあげて……。」


龍は歩いてくる途中で膝から崩れ落ちた。


「ユカッ………ユカッ………!!」


静かに涙を流す龍の背中をさする。


よかったねユカ。


龍はユカの言葉を信じてくれたみたいだよ。


あたしは空に向かって笑いかけた。




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