続 青薔薇姫



「……そろそろ行くか。」


紫苑がバイクに乗ったのを合図に、水狼の面子達もバイクに乗った。


「ほら、瑞華も…。」


「……うん。」


虎太に促され、紫苑の元まで歩く。


……あ、そうだ。


あたしはまた虎太達の元に戻った。


「週末とか連休とか、大きな休みになったらこっちに戻ってくる。

あ、もちろん他の族に攻められるときもね。

それじゃ……あたし行くね?」


「あぁ…またな。」


「またね……!!」


紫苑の元に走る。


今度こそ振り向かない。


だってまた会えるから。


紫苑のバイクの後ろに乗って腰に手をまわすと、バイクは出発した。


背中に浴びるたくさんの声。


風を感じながらそっと目を瞑って、それらを忘れないように記憶に焼きつけていた。










< 276 / 307 >

この作品をシェア

pagetop