続 青薔薇姫



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バイクが止まったのは、水狼の倉庫。


「入るぞ。」


「う……うん……。」


き……緊張する!!


半年前まで普通に入ってたけど……いやでもなんか……。


なかなか入らずにいるあたしに気付いた紫苑が、戻ってきてあたしの手を取る。


「……おかえり、瑞華。」


優しく笑う紫苑。


気付けば、水狼全員があたしを優しい目で見ていた。


ホントに……いいんだよね?


こんな居心地のいい場所に戻っても……。


「………ただいま!!」


ハッキリ、倉庫の奥まで届く声で言った。


あたしが笑えば、笑い返してくれる水狼のみんな。


あぁ……あたしはまたここにいてもいいんだ。




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