続 青薔薇姫
「……っ!!」
「お兄ちゃんが言ってたんだ。
だからたぶんだけど、このことを言いたかったんだと思う。」
「奇跡………か。」
「なんかロマンチックでいいでしょ?」
「あぁ。
………あ。」
元担任の口角が上がる。
「嫉妬深い男は嫌われるぞ。」
ニヤッと笑いながらあたしの頭を軽くポンポンと叩くと、倉庫のほうに戻っていった。
……何だったの?
不審に思いながら元担任が去っていったあとを見ていると、聞き慣れた声がした。
「……瑞華。」
振り向いた先には紫苑がいた。
「あっ、紫苑!!そういえばさ、結以知らない?
あの後から姿が見えないんだけど。」
紫苑は俯きながら何やらボソボソと言っている。
「えー何ー?聞こえないんだけど……キャッ!!」
聞き取ろうと距離を詰めたら、いきなり紫苑に抱きしめられた。