続 青薔薇姫



抱きしめる手を緩めて、お互いの顔が見える距離になる。


紫苑があたしの髪を一束掬った。


「そういえば…、青華は見つかったから青づくめはやめるのか?」


あたしから青をなくす……?


……ムリに決まってんじゃん。


「だから何度も言うけど、変える気なんてないからね!!」


笑いながらいつものセリフを言う。


そしたら紫苑はフッと笑った。


「そのほうがお前らしいよ。」


あたし達は笑い合った。


この青づくめのあたしを、″異常者″だと罵る人もいる。


でも一番大切な人に認められれば、それでいいんだ。


だって青華を見つけても、お兄ちゃんの思いを背負ってるから。


一生元の色に戻そうだなんて思えなくなるんだ。




「……紫苑、好きだよ。」


「何だよ突然。」


「言ってみただけー。」


そう言って紫苑に、今度はあたしから抱きつく。


そんなあたしを、紫苑は大きな手で包んでくれた。




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