続 青薔薇姫



「瑞華……どうした?」


「ん?んー…。」


倉庫に着いて、幹部部屋の総長専用のソファに座ってから、あたしはずっと上の空だった。


大雅、悠雅の2人は下っ端と特訓してて、疾風は寝てる。


膝に肘をつけてずっと考え込んでいるあたしを心配する虎太。


「……ねぇ虎太、あたし間違えたかな?」


「何が?」


「人ってさ…、簡単に土足で踏み込まれたくないことってあるじゃん。」


「あぁ……大東のことか。」


ずっと心残りだった。


龍が最後にあたしに見せた顔。


それはつらそうで、どこか寂しげだった。


「あたしは……、間違ってたのかな?やっぱりみんなみたいに、あたしも見て見ぬ振りをしたほうがよかった……?」




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