妖怪涼祭
しばらく3人(?)で話していたが
サトリが 突然真面目な顔つきになり
狹姫の顔を見た。


「前に言えなかった事を言おうか。」

「?」

サトリが前に言えなかった事。
鈴の事。
何故 狹姫の元に現れたのか。


サトリを伏し目がちに話し始めた。


まず 鈴、だね。
鈴は契約。
姫とのね。

「契約?姫?・・・?」

狹姫はサトリの話に首を傾けるばかりだ。

まぁ 聞いて。
妖怪は姫に仕えるんだ。
良い姫は友達みたいに僕達と遊んだり話したりしてくれる。

でも 悪い姫は・・・
僕達を道具としか見てないんだ。
僕達を・・・。

「サトリ・・・。」

狹姫は 少し悲しそうに サトリを見つめた。

サトリは悲しそうに笑う。



狹姫は僕達が選んだいい姫なんだ。


「え・・・」

狹姫は少し驚きながらも
サトリの声に耳を傾ける。

僕達が選んだ良い姫。
つまり、姫との契約。
それが自分達の鈴。
「そんな私なんか・・・」

そういうと思ったから言いたくなかったんだ。

「我は主が姫だと嬉しい。・・・だめか?」

ムラサキカガミは
狹姫の手を握り真剣な眼差しで告げる。


チリーン


その言葉に誘われたからなのか
鈴が鳴り響き 目の前に ぬりかべが現れた。

「俺も、それがいい。狹姫じゃないと・・・・嫌だ。」

いつものように
まったりした口調でぬりかべは 狹姫に言った。


狹姫に3人に見つめられ
何も 考えられなくなる。
顔が赤くなるのを感じる。

(私、こんな時に何考えてんだろ。3人が真剣なのに。・・・私に何ができる?私は・・・)


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