妖怪涼祭


狹姫は ゆっくり
目を閉じた。
そして何かを悟ったかの様に目を開ける。


「・・・・分かった。私でよければだけど。」


ほんとか!?

「誠なら嬉しいぞ。」

「狹姫・・・いい人。」


3人から拍手喝采。
何だか照れる狹姫。


その時


ピンポーンーーーーー


「・・・人?」

ぬりかべが呟く。
その一言でサトリとムラサキカガミも消えた。

狹姫は3人が消えるのを見てから 外にでた。

「はーい。」


ガチャッとドアを開けると目の前に居たのは朶茅。
「朶茅!どしたの?」


狹姫は朶茅を家の中に入れた。
「狹姫、どうしてるかなって思って。」

朶茅は照れた様に狹姫に言う。
「そっか。・・・どっか行く?」

狹姫が そう聞くと朶茅は嬉しそうに首を縦に振った。

狹姫は笑顔で朶茅を見つめ
朶茅も笑顔で狹姫を見、手を差し出した。
狹姫が朶茅の手に捕まり 二人は手をつなぐ。

家から出た二人を家の中にいる者は見送った。


《朶茅、とやら彼氏か?》
ムラサキカガミは鏡の中から話し出した。

あぁ そうらしいね。


「初めて、見た。でも・・・」



《うむ、あやつ・・・》


嫌な予感しか しないよな。



3人の妖怪は
窓の外を見つめ
狹姫と手を繋いでる朶茅に警戒心抱いた。






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