妖怪涼祭
瞬間、なにかを思い出しそうになったが
鈍い頭の痛みで
思い出すのを阻止してる。
「ギャハハハ!もう遅ぇよ。」
目の赤い朶茅は サトリを蹴り飛ばし
ムラサキカガミを殴った。
ぬりかべは固いため殴っても手が痛いだけだと 知っている様だ。
「がはっ・・・!」
「ぐっ・・・!」
二人は 軽く倒れこむ。
「さとりッ!!ムラサキカガミ!!」
狹姫は 二人に駆け寄る。
「狸、ひどい。そういう人、嫌い。」
ぬりかべは狸にのしかかる。
珍しく怒った様だ。
「う゛っ・・・!このッ・・・どけっ!!!」
朶茅(狸)はぬりかべを 押しのける。
「俺・・・無力・・・・。」
ぬりかべは 自分で 落ち込んでいる様だ。
「くそがぁッ!!」
サトリが 狸に殴りかかる。
「ふっ、ガキが。」
狸は それをスッと避ける。
そのスキを見てムラサキカガミが
狸の頬にパンチを入れた。
「う゛ッ!!」
狸はよろめき
鼻血を拭きとった。
「よし、一発くらったか。」
しかし ムラサキカガミの その一発もさほど
効いていないらしく すぐにムラサキカガミを殴った。
狹姫は 悲しくなった。
自分の友達が
傷つけられている。
嫌だ。 嫌だ 嫌だ!!
チリーン・・・
現れたのは白い男の子。
キツネのお面を被った男の子。
「あの お祭りの時のッ――――」
男の子は お面を外し
微笑んだ。
「久しぶり、お姉さん。」