妖怪涼祭
「狹姫。僕が話すよ?」
少し怪しくて
引き込まれそうな笑顔に
狹姫の背筋が凍る。
でも 嫌いとかじゃなく。
ただ単に すこし
胸が高鳴なり頬が熱くなるのだ。


妖怪ってヤツは
やはり美男美女が揃うのだ。

怪しく綺麗な顔立ちに ふと引き込まれてしまう。


「姫って勝手に選んでしまった事を謝るよ。でも、これは契りなんだよ。」

「契、り・・・・。」

「うん。契り。」


狐に聞いたところ
妖怪の世界があり、人間界との間に鏡らしき物があるそうだ。
そこに自分達の鈴を持ち寄り 鏡の前に置くと その鈴から妖怪達を知り、人間界の姫を探し出すそうだ。
そして 姫が分かったあと鏡によって鈴は飛ばされる。
そして 自分達で鈴を見つけだして
姫に渡さないといけないらしい。

「なのに、なんで狐はキツネのお面買ったのさぁ?鈴、探しとけって。」

悟が狐にそう言うと狐は意外そうな顔をした後フッと勝ち誇った笑みを見せた。

「キツネのお面の裏にあったんだよ?鈴が。」

「じゃ、早く出てこいっつーの!」

悟は 微妙に笑顔を歪ませながら狐にそうツッコミが。

だって 順番的に、とか、空気読んだ、とか狐が悟に笑顔で告げた。
そこで 狹姫は気づいた。

「あれ?でも紫は私の家にずっと居たんだよね?」

「うむ。主の家の鏡の中におったぞ?」

「紫は鈴探しに行ってたの?」

「いや、我が居る鏡の中にあった故、ずっと狹姫の鏡の中におったぞ。」

「って事は紫が一番最初に出てきても可笑しくなかったよね?」

狹姫が そう言うと
皆 もっともだと頷いた。
しかし 紫だけが
当然、という風に言うのだ。

「いや、最初夏祭りに行っておったし、寝て起きたら学校行っとったじゃろ?」

次は狹姫が もっともだと頷き
理解をした。

「私も、早く見つけたけど人間界の服色々見てたわ!」

猫は 自慢げに服の話をし 今着てる服も 人間界で買った、と自慢していた。

そして壁がポソリと告げる。




「話が脱線している・・・・。」



そう 今は何で姫に選ばれたか、
姫とは何をするものなのかを聞く時である。
壁が一番もっともな事を言ったので
皆は少し黙るしかなかった。
< 18 / 22 >

この作品をシェア

pagetop