妖怪涼祭
「あぁ、コホンッ。すまない。」

壁から もっともな指摘を受けた狐は
咳ばらいをし
少し顔を赤らめ少し俯いた。
(意外に狐も子供っぽいのかも。)
なんて 狹姫は思い
バレない様に小さく微笑んだ。


「じゃ、はなすよ?」
今度は真剣な目つきで狹姫を見
話し始めた。


「姫とは何をするものなのか。
わからないよね?
あぁ、違う。
攻めてる、とかじゃなくて。
少し 昔話から始めようか。





時は平安時代。
昔から 妖怪達は居たけど人間が妖怪と関わりだしたのは
多分 この頃。


《藤原》とかが有名になった時代だよね。
教科書とかにも載ってるよね。

その時 姫やら帝やら
って何かと決めたじゃない。
それで 妖怪達の間でもそれが流行した。

しかし 妖怪は 元々
人を脅かすだけのもの。
最初は 欲望とかも持っていなかった。
しかし・・・・。
これは 俺のじいちゃんが 崩してしまったんだ。
妖怪に 新たな心を芽生えさせてしまったんだ。
じいちゃんは平安の時 ちょうどイケメンって評判で。
脅かそうとしても
姫達に 集まってこられてばかりだったんだ。
そして ある日。
一人の姫に恋をし、父さんが生まれた。
人形で・・・・。
そう 俺は半妖なんだ。
ここまでに力を使うのに苦労したさ。
それからは半妖ブームっていうのかな?
人間と結ばれるのが普通、みたいになってしまってね。
それから 妖怪の心には《欲望》という心が生まれた。
その欲は様々な欲だった。
今みたいに 恋を通じての欲望。
そして 人間の姫を利用して 力を使おうという悪い欲望。

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