妖怪涼祭
そうつまり姫っていうのはね。
妖怪達が力を出すのに必要な媒介、みたいな物だ。
その力が強ければ強いほど 妖怪達が出せる技も強くなる。
そして 姫との信頼関係も関係する。
絆が強ければ強い程互いが強くなる。
ちなみに 姫に選ばれたヤツは
見鬼の才 というのがあるから
妖怪は もちろん
幽霊なんかも見える。
そして 見えるのは
大体16歳くらいからだ。
狹姫は 少し過ぎたな。
そして その者は 力が使える。
妖怪の力を止めたり使ったりも出来るが
自分自身も闘える。

闘い方は 妖怪同意の上のそれぞれの妖怪の技を使える事。
分かったかな?
妖怪にとって姫とは絶対的な存在なんだ。」

狐は 長く話し終えると 狹姫を見た。
狹姫は しばらくキョトンとしていたが
自分で頭の中を整理したらしく
理解すると 妖怪達に向かって微笑んだ。

「分かった。・・・分かったよ。私がんばるからねっ。」

狹姫の その笑みは
皆の心を溶かした。
妖怪達は選んでしまった姫に 罪悪感を持っている。
勝手に こっちから姫を頼んでおいて
面倒臭いことを押し付けて悪い と思っているのだ。


「もぉ、狹姫大好きッ!!!」

猫は狹姫に抱き着く。
「あはは、私もだよ。」
へにゃっと笑う狹姫。
その微笑ましい光景を見て気分を害する者は誰もいないだろう。


ふいに 壁が口を開く。
「あいつ、遅い。」

「あ、忘れてた。」

それに悟ものっかる。
狹姫は首を傾げる。

「もう一人いるのじゃ轆轤という男が。」

チリーン・・・


「あ来たみたいだよ。」

突然現れた そいつの名は
轆轤首。

「申し訳ない。迷子だった。」
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