妖怪涼祭
突然 現れたこの妖怪は轆轤首。
英国の貴族の様な服装の黒髪で長髪の男。
ツン としてそうな見た目とは別に
とぼけた事を言う男だった。

「え、迷子・・・・?」

狹姫は 轆轤を見つめる。
全然 そんな風に見えないのだが。

そして轆轤は狹姫の手を両手で握りしめる。
「申し訳ないっ!姫よっ!遅れてしまった・・・どうか許して欲しい。」

轆轤は切ない目で
狹姫を見つめる。

「え?ぅあ?え・・・別にいいよ?」

狹姫は 顔を赤くして戸惑う。

「おぉ!なんと心の優しい姫なのだ!!」

轆轤は 狹姫を抱きしめた。

「えぇッ!!!?」
狹姫は顔を赤くし
目を ぐるぐるさせている。

「ちょっとちょっと!いきなり何しちゃってんのさ!外国の影響受けすぎ―!!」
悟は轆轤に
ジト目をしツッコミを入れ、轆轤を狹姫から剥がす。

「ふむ。・・・そのような事はないぞ?」

少し考えて キッパリ“ない”と言い切った轆轤であった。

「どの口がそういうのか・・・・。」
いつも ボーッとしてる壁までもが
そう言ってしまう始末であった。
「ホント!ホント!触れば良いってモンじゃないのよ轆轤! スキンシップってのはねぇ・・・!」

猫は何故か皆と
観点が違う中 自分が思っている事を轆轤に伝えるのだった。

「そんなに怒らないで。可愛い顔が台なしだよ?」

轆轤は キザなセリフを恥ずかしげもなく猫に伝える。

猫は顔が赤く染まり
そっぽを向き言うのだ。

「べ、別にアンタに言われても嬉しくないわっ!・・・でも、ありがと。」

これが王道のツンデレという物か。
狹姫は感心し、轆轤を見た。

(カッコイイ・・・。)

轆轤が来て改めて狹姫が思うのは
本当に美形揃いだという事。


「まぁ轆轤は《天然のたらし》というヤツじゃの。」
紫がポツリと呟くと
皆 頷き 狹姫自身も 「そうかも」
と呟くくらいだ。

その時

「狹姫!」

呼ばれた。
友達に。
狹姫は焦った。
この子はアニヲタでイケメン好きで一番の友達。

それを読み取った悟が狹姫に話す。
「なんだ、それじゃ問題ないじゃない」

(霊感が強いんだけどね☆)

「・・・・!!?」

狹姫が心の中で言葉を返すと
悟は目を丸くして
驚いた。
「あら、美男美女揃いね♪狹姫の友達?」

(・・・やっぱりみえてたか。)

狹姫は あちゃーという顔をして
しぶしぶその子を
自分の部屋に連れて帰るのだった
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