妖怪涼祭
結局 狹姫は友達に全てを話す事にした。

「へぇ~!羨ましい!!!私がなりたいわよ~!」

その友達ーーーー
岩廩 齋(いわくらいつき)は狹姫に
そう告げるとニッコリ微笑んだ。

「でも、この子達に出会わなかったら彼氏に殺されてたかも?」

そう言って齋は狹姫を見るのだ。
狹姫は その時に思った。
確かにそうかもしれない。
もし この仲間に出会えていなかったら?
私は殺されて。
あの 狸に記憶を捏造されて狹姫をいなかった存在にしていたかもしれない。

今思うとゾッとする。
狹姫は 身震いをして自分の腕をさすった。
「大丈夫!見つけてたよ!」

悟が笑顔で狹姫を見る。
「え?」
狹姫は思わず口から零れた。

「俺達、わるいやつ嫌い。」

壁が狹姫を見ていう。
それに続き紫までも
「だからきっと狹姫を見つけとった。」
狹姫を 励ますのだ。

「そうよ!だって狹姫と私達が出会うのは運命であり必然でもあるのだからっ!」

猫は優しい笑みで狹姫を見て 狹姫の手を両手で包んだ。
だから大丈夫よ、と。

狹姫は目頭が熱くなった。
自分はこんなにもたくさんの仲間に想われている。

「どうか泣かないで。狹姫――――」

狐はそう言って狹姫の涙をぬぐい
ペロッと舐めた。

「!!?」

狹姫は赤くなり
狐をみつめた。
狐はニッと笑い
狹姫を優しい笑顔で見つめた。


狹姫は うれしさと恥ずかしさで頭の中がグルグルしていた。

轆轤はキャラがかぶったではないか、と呟き
狹姫の手にキスをおとした。
「姫―――私も力になりますが故。」


そして
もう一人。





「・・・あのさ、まさかとは思うけど私居ること忘れてないよね?」


齋のその一言に皆違う方向に視線を向けた。

「え!?マジで?ちょっとぉ~!!」

齋は少し悲しそうに
狹姫をみた。

狹姫と妖怪達は笑い合い
より深く仲間の絆を感じた。


ずっとこんな時が続けばいい―――


誰もがそう思っていた。
この夢の様な一時を終わらせたくない。
ずっと笑っていたい。
皆といたい。

“仲間”

私 達 は 仲 間 だ よ


ずっと

ずっと――――――






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