わたしの魔法使い
心臓のドキドキが止まらない。
もう顔をあげることすら、できない。
ただ俯いて颯太さんの後を付いていくしかできない。
「あるかな?あるといいなー」
歌うような颯太さんの声が、耳に届く。
俯く私の視線の先には、色とりどりの
「――絵本?」
「そう。朱里ちゃんが好きだった絵本、探しに来たの。」
“しろいうさぎとくろいうさぎ”。
仲良く遊ぶ毎日の中、しろいうさぎとずっと一緒にいたいと強く願う、くろいうさぎ。
その願いは叶い、2匹は森の仲間の祝福のなか結婚し、幸せに暮らしましたとさ。
そんなお話…
その絵本を探しに来たなんて……
「…―――あった!これでしょ?」
目の前に差し出された絵本は、私の好きだった絵本。
「正解。」
「よかったー!」
嬉しそうに笑うと、パラパラと眺めている。
絵がきれいとか、ウサギの表情が可愛いとか、ブツブツ言ってる。
確かに絵はきれいだよ。
ウサギだって、表情豊かだよ!
だけど、何でこの本探しに来てるのよー!
探すなら今じゃなくてもいいじゃない!
何だかさっきまでのドキドキはどこかへ行っちゃった。
私のドキドキ、返してー!
もう顔をあげることすら、できない。
ただ俯いて颯太さんの後を付いていくしかできない。
「あるかな?あるといいなー」
歌うような颯太さんの声が、耳に届く。
俯く私の視線の先には、色とりどりの
「――絵本?」
「そう。朱里ちゃんが好きだった絵本、探しに来たの。」
“しろいうさぎとくろいうさぎ”。
仲良く遊ぶ毎日の中、しろいうさぎとずっと一緒にいたいと強く願う、くろいうさぎ。
その願いは叶い、2匹は森の仲間の祝福のなか結婚し、幸せに暮らしましたとさ。
そんなお話…
その絵本を探しに来たなんて……
「…―――あった!これでしょ?」
目の前に差し出された絵本は、私の好きだった絵本。
「正解。」
「よかったー!」
嬉しそうに笑うと、パラパラと眺めている。
絵がきれいとか、ウサギの表情が可愛いとか、ブツブツ言ってる。
確かに絵はきれいだよ。
ウサギだって、表情豊かだよ!
だけど、何でこの本探しに来てるのよー!
探すなら今じゃなくてもいいじゃない!
何だかさっきまでのドキドキはどこかへ行っちゃった。
私のドキドキ、返してー!