わたしの魔法使い
「…颯太がね、いつまで一緒にいてくれるかわからなくても、もう逃げないって決めたの。いつまでも逃げていられないし。」

「でも……」

「平気だよ。だって、魔法、かけてくれたんでしょ?笑顔の魔法…だから、一人になってもだい……」


“大丈夫”って、最後まで言えなかった。

気付いたら私は颯太の腕の中で、颯太が震えていた。


「颯太……?」

「ごめ……少しこのままいさせて……」



私は颯太の背中をポンポンすることしかできなかった。



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