わたしの魔法使い
洗面所からは朱里が顔を洗っているのか、バチャバチャと水の音が響く。
考えてみると、朱里は僕のことを知らない。
僕が誰で、今までどんなことをしてきて、どうしてここにいるのか…
何も知らない。
それなのに、僕を好きだと言ってくれる。
でも、僕の事を知ったら…?
昔どんなことをしてきたのか知ったら…?
きっと離れていく。
「…――朱里…そのまま…聞いてくれる…?」
「……」
「僕にはね、拭っても拭いきれない黒い汚れがあるんだ…いつかちゃんと話すけど、今はまだ…」
「それで?黒い汚れがあるから、好きになるなっていうこと?そんなの無理でしょ!好きなんだもん!颯太が好きなの!!」
勢いよく開いた洗面所からは、怒った顔をした朱里が飛び出してきた。
その目に涙をいっぱい溜めて…
「颯太が好きなの!今の颯太が好きなの!!過去なんてどうでもいいの!!!」
「朱里…」
「颯太が好きなのー…」
大きな目から零れ落ちる涙が朱里の頬を濡らす。
こぼれ落ちる涙はキラキラしてて、宝石みたいだ。
「朱里…僕は君が好きです…」
誰かを好きになる資格がないことは分かってる。
だけど、どうしても止められない…
僕は、朱里が好きだ。
考えてみると、朱里は僕のことを知らない。
僕が誰で、今までどんなことをしてきて、どうしてここにいるのか…
何も知らない。
それなのに、僕を好きだと言ってくれる。
でも、僕の事を知ったら…?
昔どんなことをしてきたのか知ったら…?
きっと離れていく。
「…――朱里…そのまま…聞いてくれる…?」
「……」
「僕にはね、拭っても拭いきれない黒い汚れがあるんだ…いつかちゃんと話すけど、今はまだ…」
「それで?黒い汚れがあるから、好きになるなっていうこと?そんなの無理でしょ!好きなんだもん!颯太が好きなの!!」
勢いよく開いた洗面所からは、怒った顔をした朱里が飛び出してきた。
その目に涙をいっぱい溜めて…
「颯太が好きなの!今の颯太が好きなの!!過去なんてどうでもいいの!!!」
「朱里…」
「颯太が好きなのー…」
大きな目から零れ落ちる涙が朱里の頬を濡らす。
こぼれ落ちる涙はキラキラしてて、宝石みたいだ。
「朱里…僕は君が好きです…」
誰かを好きになる資格がないことは分かってる。
だけど、どうしても止められない…
僕は、朱里が好きだ。