わたしの魔法使い
おやじさんは、僕たち(特に朱里)をよく見ていたみたいだ。

暗かった朱里が、僕が来たことで明るくなり、最近はまた関係が少し変わった。

そうおやじさんは言っていた。


「もうなー、二人で来るとラブラブなんだよー。妬けるよー!」

「や、妬かれても!ってか、おやじさんからラブラブなんて言葉、出ると思わなかった。」


そうか。ラブラブなんだ。

何一つ変わってないと思ってたけど、他の人の目からはそう見えるんだ。

それがなんだか嬉しかった。


「今度は連れてくるよ……」

「おうっ!そうしてくんな!」


おやじさんから荷物を受けとると、足早に朱里の待つ方へ歩き出した。





まったく……

おやじさんが“ラブラブ”なんてことを言うから、今まで気がつかなかったことに気がついた。


「結構いるもんなんだ……」


そう。買い物客ばかりだと思っていた商店街にも、結構いる。高校生くらいのカップルとかが。

仲良く手を繋いで、楽しそうに笑い合いながら、僕の横を通り抜けていく。


そのカップルの持っている雰囲気が


「ピンク……なんだよ……」

羨ましいほどの幸せオーラで、ピンク色。

恋ってやっぱり、ピンク色なのかな?




< 149 / 303 >

この作品をシェア

pagetop