わたしの魔法使い
朝食を食べ終えたあと、“お化粧する”という朱里を部屋に残し、僕は車を取りに出た。

朝が早いからか、今日はサラリーマンズの姿が見えない。

ま、まさかの諦め?

だったらいいけど……


そんなことより、愛しのクーパーちゃーん!

クーパーちゃんが僕を待ってる!

……じゃない!違う!


朱里が待ってる!!



それにしても、何気にこの街、住みやすいんだよね。

商店街もあるし、ホームセンターもあるし、コインパーキングも近い。

「朱里、いい街に住んでんだよね。」



なんて独り言を言っていたら


「――!」


目の前にはサラリーマンズが立っていた。

しかも



僕を見てるー?!



何で僕?


朱里から標的チェンジ?

まあ、それならそれでいいけど!


そんなことを考えながら、コインパーキングを飛び出した。



「牽いちゃったらごめんねー」



腹立ちついでに、前回の窓から手を振ってやった。

そのときのサラリーマンズの顔!

すごーい間抜け面!

ざまーみろ!ってんだ!!



それより、サラリーマンズが来ちゃったから、早めに出掛けなきゃ!



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