わたしの魔法使い
でも……やっぱり……


「とりあえず、家に行きましょう。さぁ。」

私は彼を引きずるように立ち上がらせると、彼は柔らかい笑顔を見せた。


「……優しいんですね……」

少し潤んだ茶色い瞳がまっすぐに私を見つめる。


「……綺麗……」


彼の目に吸い込まれそう…


なんて思ってる場合じゃない!

確かに綺麗だけど!

確かに吸い込まれそうだけど!

それどころじゃない!びしょ濡れの弟子さんを連れていかなきゃ!


「行きますよ!ゴン太も!」

私は傘とゴン太と魔法使いの弟子を持って歩き出した。
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