わたしの魔法使い

……ん？

今、玄関が開いたような……



｢ただいまー｣


やっと帰ってきたよ。

いったいどこまで……？


なんか雰囲気が違う？


ねえちゃん、幸せそうに笑ってるし、颯太のやつは何だか偉そうな雰囲気だし。

何だ？何があった？



｢ゴン太！しちゃった！｣


ん？何を？


｢……キス……颯太としちゃった。｣



キ……キス……………




えーっ！嘘でしょ？

嘘だと言えっ！



スッと颯太を見ると


｢ま、そういうこと！｣


勝ち誇った顔しやがって！

くそーっ！


俺だって！

俺だって、ねえちゃんとチューくらいしたことあんだぞ！

したことあるけど……


あんな幸せそうな顔、見たことない……



お……俺の敗けだ……



｢ゎおーん！｣



｢負け犬の遠吠え……｣




くそっ！颯太のやつ！

絶対に許さない！

覚悟しろっ！



思いっきり床を蹴って颯太に噛みつこうとしたけど、


｢その手にのるか！｣



見事にかわされた……