わたしの魔法使い
一度、すべてをリセットしよう。

仕事も辞めて、朱里に全部を話して、母さんの手の届かないどこかに行こう。

それで、もう二度と誰かを愛することはやめよう。

これ以上、誰かを傷つけたくない。



「奏さん。ひとつ約束して。…もう二度と、僕を探さないで。今度僕に……僕の人生に関わろうとしたら、たたじゃ済まさない。いいね?」


僕はそれだけ言うと、車を降りた。

母さんからの返事はなかったけど、そんなことはもうどうでもいい。

もう、振り回されるのは疲れたよ……






車を降りた僕は、創遊社の会長室へ向かった。


アポイントはないけど、会長は会ってくれる。そんな気がした。

社長の事はまだ解決してないけど、これ以上朱里を傷つけたくない。

だから、会長にすべてを話して、会社を辞めよう。

それが僕のできることだから……




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