わたしの魔法使い
部屋に残されたのは、私とゴン太。それと、颯太からの手紙。
そっと封筒から出してみると、丸みを帯びた颯太の文字が並んでいた。
「颯太が笑ってるみたい……」
たった数ヵ月一緒に過ごしただけ。
それでも、颯太の文字はそのすべてを思い出させる。
雨の中膝を抱えていたこと、ゴン太とプロレスをしていたこと、初めてのデート、初めてのキス……
それと、“奏”と名乗った女の人のこと。
そのすべての答えが、この手紙の中にある。
そうおじいちゃんは言っていた。
私は意を決して、手紙を読み始めた。
『朱里。自分の言葉で話さなければいけないのに、こんな風に君のおじいさんに手紙を託すことになって、ごめんね。
何から話していいか、悩んだんだけど、たぶん朱里が気にしてることから話そうか。
あの日、君が会った“奏”という女性は、僕の母親です。』
「言われてみれば、似てたかも……」
ちゃんと向き合った訳じゃないけど、綺麗な顔、してたもんなー……
そうか。あの人は颯太のお母さんだったんだ。
でも、何で名前で呼んでたんだろう?
その答えは、手紙に書いてあった。
そっと封筒から出してみると、丸みを帯びた颯太の文字が並んでいた。
「颯太が笑ってるみたい……」
たった数ヵ月一緒に過ごしただけ。
それでも、颯太の文字はそのすべてを思い出させる。
雨の中膝を抱えていたこと、ゴン太とプロレスをしていたこと、初めてのデート、初めてのキス……
それと、“奏”と名乗った女の人のこと。
そのすべての答えが、この手紙の中にある。
そうおじいちゃんは言っていた。
私は意を決して、手紙を読み始めた。
『朱里。自分の言葉で話さなければいけないのに、こんな風に君のおじいさんに手紙を託すことになって、ごめんね。
何から話していいか、悩んだんだけど、たぶん朱里が気にしてることから話そうか。
あの日、君が会った“奏”という女性は、僕の母親です。』
「言われてみれば、似てたかも……」
ちゃんと向き合った訳じゃないけど、綺麗な顔、してたもんなー……
そうか。あの人は颯太のお母さんだったんだ。
でも、何で名前で呼んでたんだろう?
その答えは、手紙に書いてあった。