わたしの魔法使い
室長から受け取ったリストをもとに、問屋と連絡を取った。

中には父親のことを知ってる人もいて、話は割りとスムーズに進んだ。



次々に入荷される本を、1冊ずつ本棚に配置していく。

レイアウトを考えながら配置していくと、どんどん本屋らしくなっていく。

それが嬉しくて、楽しかった。





開店は桜が満開になる頃。4月を予定している。


それまでにやることはたくさんある。

店の名前も決めなきゃならないし、それに合わせてチラシも作らなきゃいけない。


「さあ、頑張りますか!」



久しぶりにパソコンを取り出すと、ディスプレイをじっと見つめた。



店の名前は、いくつか考えてある。

そのうちのどれにするか……だ……


「うーん……インパクトのある方がいいか?」


きっと“書店”とか“書房”とかつけちゃうと、普通の本屋に思われる。

かといって、インパクト重視だと本屋と思ってもらえない。

その兼ね合いが難しい。




朱里だったらいい名前考えてくれるんだろうな……


そんなことを考える自分に苦笑した。




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