わたしの魔法使い
朱里ちゃんは無言のまま。

ただいまの一言もなく、無言でゴン太の足を拭いてる。


だけど、次第にその小さな方が震え始めて


「――もうダメ!耐えられない!何?布団に埋もれてると思えば、次はもぐらたたきみたいになって!今度は頭ブンブン?もうダメ!おかしいー!」

って笑い出した。



もうね、誰も止められないよ。

朱里ちゃん、笑いだしたらしばらく止まらないって、たった2日でよくわかった。

もう好きなだけ笑えばいいんだ。

笑って、笑って……

笑い疲れるまで笑って、嫌なこと全部、吹き飛ばしちゃえばいいよ…



だって、僕は君の笑顔を守りに来たんだから……



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