わたしの魔法使い
本当、颯太さんって面白い。

散歩から帰ってきたら、布団に埋もれて「幸せだ~」なんて言ってるし。

本当に飽きないし、面白い。

あの綺麗な顔で面白いことするから、余計なんだよね。

今もそう。

笑ってる私を見て、ブツブツ言ってる。

それが、小さい子供が不貞腐れたような顔で


こんな顔するんだ…


なんて、少し嬉しくなっちゃった。


私の周りには、こんなに表情を変える人なんていなかった。

私の周りが無表情なのかな?

それとも、颯太さんの表情が豊かなの?


きっと颯太さんの表情が豊かなんだろうな。

もっと仲良くなって、いろんな顔が見てみたい。


でも、このまま颯太さんといたら、笑いすぎて死んじゃうかも?!

それは困るなー。



「はぁ…朱里ちゃん。笑いすぎ!」

「ふぎっ!」


少し乱暴に両頬を押さえられ、色気のない声が出ちゃった。

でも、そんなことお構いなしの颯太さんは、挟んだ両頬をグニグニ揉んでる。


「変な顔ー!」

「やふぇてー(やめてー)」


揉まれてまともに喋れない。

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