わたしの魔法使い
たった一晩でこんなことするなんて!

颯太さん…私のことす……?

イヤイヤイヤ


だって、あり得ないでしょ。

長い付き合いでもないし、お互いに知ってることはごくわずかだし。

私が笑いすぎたから、お仕置きだね。

そう思おう……



「ふぉろふぉろいきゃない(そろそろ行かない)?」

「何言ってるかわからないよー」


何で頬を挟まれるとまともにしゃべれないんだろう?

わからないって言いながら、まだ揉んでる!

しかも

「スベスベのプニプニ♪」

って、オヤジみたいなこと言ってる!


悔しいから、私も颯太さんの頬、挟んでやった!

へっへっへっ!これで互角だぜ!




「ふぁにをしゅる(何をする)!」

「ふぉんにゃもんふぁい(どんなもんだい)!」


お互いの頬を挟んだまま、しばらく睨み合いが続く。

先に離したら、颯太さんに負けるような気がして、なかなか手が離せない。


買い物行くって行ってたのに!

何でこんなことしてるの!

……と、その時。


足をトントンとする感触がした。


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