わたしの魔法使い
ふと視線を落とすと


「ふぉんた(ゴン太)!」


自分も仲間に入れろ!と言わんばかりにアピールしてる。

目なんかキラキラさせちゃって!

思いっきりいい笑顔で私たちを見ているゴン太を見たら、今自分達がしていることがおかしくて、笑いだした。

そうか。ゴン太も仲間に入りたかったか。

もう、可愛い奴め!

よしよし、お姉ちゃんが遊んであげよう。

なに、怖くはないよ。


なんて、今度は悪代官になった気分。

笑いながら颯太さんの頬から手を離すと、嬉しそうに笑うゴン太に手を伸ばした。


だけど、不意に延びてきた手を警戒したのか……




ハムッ!







「ひしゃしぶりにかみゃれた(久しぶりに噛まれた)!」


頬を挟まれたまま、右手はゴン太に噛まれてて、何とも情けない姿。

一体何をしてるんだろう?

ゴン太に手を噛まれたことで颯太さんは手を離してくれたし、噛んだこと自体に驚いたゴン太もすぐに手を離してくれたけど……


あの姿は……結構マヌケ……?


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